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フィットテスト

マスクフィットテストの義務化

令和5年4月1日から始まりました

 
特定化学物質障害予防規則(特化則)が法改正され、アーク溶接作業中に発生する溶接ヒュームが特定化学物質に指定されました。この法改正により、令和5年4月からマスクフィットテストの実施が義務化されました。
 
保護マスクが適切に着用されていることを確認するため、フィットファクタ(呼吸用保護具の面体と労働者の顔面との密着を示す係数)を求めるのがマスクフィットテストです。
 
マスクフィットテストとは
呼吸用保護具(マスク)使用者の健康被害を防止する為に、どのマスクが使用者の顔面にフィットするかを決定する方法です。マスクの密着が不十分で漏れがあると、有害物質の吸入を防ぐ効果が低下する恐れがあります。
 
なぜマスクフィットテストが必要なのか
溶接ヒュームの濃度測定結果に応じて適切な防護マスクを選んだとしても、装着の仕方によって十分な力が発揮できない場合があります。また、故障や劣化により知らぬ間に保護力が落ちてしまうことも…。そのため、防護マスクがきちんと機能しているかどうかを定期的にマスクフィットテストで診断し、作業員の健康を守ることが必要となります。
 
マスクフィットテストの対象者
全てのアーク溶接作業者
 
マスクフィットテストの実施頻度
1年に1回
 

フィットテストの種類

フィットテストは、令和3年5月25日付けで公示されている日本産業規格(JIS)T8150:2021で定められています。

その方法は大きく分類すると、①定性的フィットテスト、②定量的フィットテストになります。

①定性的フィットテスト
 
定性的フィットテスト
 
定性的フィットテストは、人の味覚を使ってマスクの抜け漏れがないかを確認する方法です。要求フィットファクタ値100の「半面形面体を有するマスク」に対して行うことができます。

検査対象者がマスクをした状態でフードを被り、フード内にサッカリン水溶液を噴霧し、甘味を感じるか否かで評価する方法です。人の官能による方法であり、定量的フィットテストと比較し、信憑性は低いものです。

 
②定量的フィットテスト
 
定量的フィットテスト
 

定量的フィットテストは、マスクの外側と内側の粒子の割合を測定し漏れ率を確認する方法です。要求フィットファクタ値100の半面形面体を有するマスクと、要求フィットファクタ値500の全面形面体を有するマスクの両方に対して行うことができます。マスクフィットテスター(測定装置)を使用し、マスクを装着したマスク内外の粒子数を比較し、評価するものです。「標準フィットテスト」と「短縮フィットテスト」があります。

  標準フィットテスト 短縮フィットテスト
測定原理 OPC
光散乱検出器
CNC
凝縮核カウンタ
測定に必要な時間 一人当たり
約7分
一人当たり
約2分30秒

なお、定性・定量の両試験共にマスクをつけて呼吸するだけではなく、深呼吸や頭を上下左右に動かしたり、発声するなど、定められた動作をする必要があります。
 
当社では、「フィットテスト実施者に対する教育実施要領(令和3年4月6日付厚生労働省通宅)」に基づいた研修を受講した検査員が、高精度かつ短時間で測定できる短縮フィットテストを実施させていただきます。
 

フィットテスト義務化